サスペンション-TEZZO車高調+ローダウンサス
TEZZO車高調整サスペンションキット(車高調)
1.はじめての車高調選び
1.車高を下げる方法はふたつ
車高を下げるには、ダンパー(ショックアブソーバー)とバネ(スプリング)をセットで交換する「車高調」と、バネのみを取り替える「ローダウンサス」があります。
2.何のために車高を下げるの?
a:車高を下げるメリットとしては、下記のようなことがあります。
・重心が下がりコーナリングやブレーキングでの安定性が高まる
・レーシングカーのように地面との隙間が狭くなり格好よくなる。タイヤとフェンダーとの隙間が狭まりドレスアップ効果劇的に向上
・高速道路などの平滑な舗装路での高速操縦安定性および乗り心地が向上
・空気抵抗が減り最高速度上昇、加速力も向上(時速80キロ超で効果増大)
・車体のリフトが減りダウンフォース(車を下に押し下げる力)増加による高速操縦安定性向上
b:車高を下げるデメリットとしては下記のようなことがあります
・極低速走行の際、路面の凹凸を拾いやすくなり乗り心地がゴツゴツする
・コンビニの駐車場など路面の段差が大きい場合、クルマのアゴをぶつけやすいので斜めに進入するなど注意が必要
・ローダウンサス(短いバネだけの交換)やセッティングが出ていない安易に開発された車高調だと、乗り心地操縦安定性ともに性能ダウンしてしまうリスクあり(TEZZO車高調はそんなことはありません)。
3.お勧めは車高調
自分の望む乗り心地や車高を手にしたい人は車高調を、安価でただ車高を下げたいだけ人はローダウンサスを選択するとよいでしょう。ただしローダウンサスは 製造元が設定した車高から調整することができず、また1~3年の経年変化で車高が落ちすぎて車検が通らなくなるケースも発生します。そのためTEZZOで は一部の車両(軽量車でユーザーがあまり飛ばさないと思われる場合)に限ってローダウンサスを設定しておりますが、基本的には車高調をお勧めしています。
2.TEZZO車高調を知る〜開発コンセプトおよび開発ストーリー
1.車高調まではいらないという声を聞きますが–
「車高調(車高調整式ダンパー)まではいらない。サーキットを走るわけではないからストリート用の安価なローダウンサスでもよいのでは」 とお客様に尋ねられることがあります。しかしストリート用であっても本来はバネレートと減衰力のマッチングが重要なのです。
2.ローダウンサスの限界
ロー ダウンサスの特徴としては、バネ(スプリング)のみ交換だから安価に車高を下げることができる。車高はメーカーが決めた設定にしかならない。1~3年程度 で劣化しさらにダウンしたり乗り心地も悪化したり、車検が通らないケースもあり。その場合、車高調のようにオーバーホールはできない。基本的に性能は落ち る。サーキット・スポーツ走行には不適応(純正よりも性能低下の場合が多い)などがあります。
とくに弱いバネが設定されて乗り心地が柔らかいローダウンサスの場合は、フル乗車どきに底突きが起きたり、経年変化による車高落ちが顕著となりがちです。
それを防ぐにはバネを硬めに設定すればよいのですが、それだと今度は乗り心地がゴツゴツします。また高いバネレートに対して純正ダンパーの減衰力が不足気味となり、バネ勝ち(ダンピング不足)状態で、車体がバタつくようになります。
一般的に市販ローダウンサスは、車高を下げるだけで、性能はアップしないと言って過言ではありません。
TEZZOでもフィアット500など一部の車種ではローダウンサスを製品化した例もありますが、それはたまたま純正ダンパーの減衰力に余裕があることが開 発段階で判明し、またユーザーが高速操縦安定性をさほど求めない車種だと判断したからです。もちろんフィアット500でも高速走行やスポーツ走行を楽しむ ユーザー向けにTEZZO車高調もラインナップされています。
たとえばアルファロメオ・ジュリエッタではローダウンサスのラインナップを検討しま したが、開発~試作~実装テスト段階で、TEZZOの求める性能を発揮することができないと判断し、開発を中止しました。最近の欧州車は昔のように減衰力 が高めではないのでスプリング交換だけのローダウンサスの設定を難しくなる傾向にあります。
3.車高調の特徴
車高調の特徴はローダ ウンサスに比べて高価、ユーザーの好みで減衰力や車高の調節が可能、開発段階の目的で街乗りからスポーツ走行まで対応可能、ダウンサスに比べて調節幅が あって手法によっては乗り心地も損なわれない、セッティングの味付けにより快適になることもある(TEZZO車高調が目指していること)
4.車高調もピンからキリまで
「車 高を下げると足が硬くなり、乗り心地が悪くなる」という声を聞きますが、それは半分正解、半分不正解です。純正のサスペンションでは、操縦安定性と乗り心 地、そして多人数・高積載時での許容や製造コスト削減などの多くの要素をバランスさせるように設計がなされています。サスペンション交換で車高を下げると いうことは、その設計から一旦外れてスプリングのストローク量(上下に動く幅)が短くなります。設計のやり直しを行い再調整を行わなければ、乗り心地や操 縦安定性は当然悪化します。
反対に言えば、そのセッティングこそがチューナーの腕の見せ所なのです。なぜなら乗り心地はスプリングのストローク だけで決まるわけではありません。スプリングレート(スプリングの硬さ)やダンパーの縮み側(バンプ)と伸び側(リバウンド)の減衰力(スプリングの伸び 縮みのスピードを制御する仕組み)を最適化することで、ストローク減少をカバーした上で、走りと乗り心地のバランスを取ることが可能なのです。
5.TEZZO車高調の開発手法
TEZZO全調式車高調はすべて車種毎にデモカーに実車装着して長期テストを実施し、開発しております。試作改良品ができあがる度に、実車走行で乗り心地、異音、ダウン変化量をチェックすることでデータを収集します。
一部市場に出回っている安価な車高調だと机上での計算やフィッティングのみで実走行せずに商品化するケースもあるようですが、TEZZO車高調に求められる乗り味を出すには、実車での装着テストと細かなセッティング変更の繰り返しは絶対条件なのです。
実車に装着してこそ初めて判るノウハウがあり、その段階を省いてはTEZZOが求める高性能はたどり付けないと考えているのです。
それはサーキット仕様だけでなく、ストリート仕様であっても、同様の考え方なのです。
6.ストリート仕様~
●ストリート仕様こそ難しい
一 般的にストリート用車高調というとサーキット用から減衰とバネレートを落とした廉価版というイメージがるかもしれません。実際にセッティングせずにバネ レートを落とした廉価品が市場に出回っているのも確かです。しかしTEZZOは真のストリート用こそ困難な課題だと考えます。それは自らに課した「LXY の走り」のハードルがあるからです。
LXYとはTEZZOがストリート仕様に与える車高調の基本セッティング概念です。イメージは「とろピシ」。とろーりしているけどピシッとしている)。しなやかだけどふわふわしないスッキリ足を目指しているのです。
●LXY~「とろピシ」セッティング
減 衰力を弱めればダンパー内のピストンの初期の動き出しがスムーズになり、路面からの当たりは柔らかくなります。しかしそれだと常いフワフワとした動きをす るようになりがちです。その場合はTEZZO車高調はリングシムを採用するなどしてシムの動きにプリロードを与えて抑えます。
LXYのとろピシ セッティングを実現するための開発工程に膨大な時間が割かれます。薄いシムを積み重ねる膨大な組み合わせの中から微妙なセッティングを選択し、本来相反す る要素である「しなやかさ」と「スッキリ」を両立させるのです。その実現への道は困難な道のりなのです。
7.TEZZO車高調のふたつの形式~全調式車高調と別タンク式車高調
●TEZZO全調式車高長
ロー ダウンスプリングでは絶対に実現不可能な、微妙に前下がりのスタイリングや絶妙な乗り心地&操縦安定性のバランスを実現するのがTEZZO全調式車高調 キットです。車高を調整してもバネに遊びが出ない全調式を採用するので車検も安心です。また車高調整しても乗り心地が変わらないなどのメリットもありま す。
TEZZO全調式車高調はTEZZO別タンク式車高調に比べて構成部品が少なくリーズナブルです。またネジ式(スプリングの受け皿(ロアシー ト)の位置を上下させることで車高を調整する簡易方式に比べると、車高を調整する際にプリロードの掛け方によるスプリングレートの変化を抑えることができ るため、車高調取り扱いの経験の浅いディーラーメカニックであっても装着技術に性能が左右されにくいメリットがあります。こうした理由でTEZZOでは ディーラー販売の主力商品は全長式車高調となっています。
●TEZZO別タンク式車高調
一部車種に関しては別タンク式車高調を採用します。ワンオフ対応できるケースもあるのでご相談ください。
8.信頼性・耐久性に配慮、オーバーホールも可能
簡易的な車高調だとオーバーホールができないケースもありますが。TEZZO車高調はもちろんオーバーホールも可能である。
耐久性の高いスチールボディを採用し、さらにシリンダーにはニカシルメッキコーティングを施して錆や腐食などに対する長期的な耐久性を確保した。オーバーホールして末永く楽しむことができるばかりか、ドライバーの好みの変化に応じた仕様変更も可能となる。
9.車種専用チューニングを実施
TEZZO車高調は車種専用チューニングを実行する。「車種専用は当然だろう」と思う人が大半ではないか。残念ながら現実はそうではない。
一 般的に車高調と言っても数万円から数十万円まで様々な価格の製品が市場にあふれている。しかし構成パーツ代を比べたらそれほどの価格差はない。では何が違 うかというと、個別セッティングをおこなったかどうか。要するにセッティングに対する労力、そのノウハウによって価格差が生じている。そうした意味では、 機能パーツとしては特異な製品である。
このセッティングこそが、各社それぞれ特徴が出る部分だ。例えば、B社は高圧ガスタイプを採用、何よりも高速操縦安定性を重視し、しっかり感がある。いかにもドイツ車らしい(一世代前までの)乗り味を持つが、一方で低速ではゴツゴツする印象がぬぐえない。
ま た、たとえばO社は減衰力のちぢみ側を比較的柔らかくしてゴツゴツ感をやわらげ、逆に伸び側を強くしてロール剛性を出してロールスピードを抑え、高速安定 性やコーナリングの安定感を重視する。この方向性は、伸び側すなわちリバウンド側を高めてバウンド側を弱くするもの。ゴツゴツ感をやわらげつつロール剛性 も抑えるという、いわばイイトコ取りの手法だが、このセッティング手法も弱点がある。それは高速道路の継ぎ目や段差では、リバウンドが強いことからドンと いうショックが大きい。
こうした現象を少しでも解消しようとTEZZOでは別タンク式のアジャスタブルダンパーを開発してきた。オイル容量が増え るのでキャビテーションが発生しにくいだけでなく、ストロークも稼げるのでそれだけ低圧ガス化が可能となるからだ。つまり全体性能の底上げを狙ったのだ。 しかし、別タンク式の弱点は何だろうか?
というと、それはコスト上昇だ。構成パーツが増えること、さらに純正にはない別タンクという構造から、それを配置するにも難易度が上がり開発工程が増える。
今 回、開発した全調式車高調に関しては、別タンク式を持たない従来タイプの単筒式ダンパーを採用した。特長としてはケースの他、シリンダー、シャフト、ピス トンなどのパーツに関しては大手メーカー製品との協力により部品の購入コストを下げることに成功。ただし、メーカー品をそのまま使うのではなく、一度ばら しケース長などを変更、さらに独自にガス圧、減衰力、バネレート、ストローク量を設定し変更してリ・セッティングをおこなった。
つまり、ストリート用として手の出しやすい価格帯を実現しながらも、車種ごとに個別変更を行うことでTEZZOが求める性能を実現させたのである。なお、この製品は、ユーザーが本格的にサーキット走行をするときなど、仕様変更を含むオーバーホールにも対応する。
10.ラインナップは徐々に増加中
現在、TEZZOがラインナップとするのはアルファロメオ147、156、147GTA、156 GTA、GT、GT3.2など、発売から時間が経過したモデルに関しても、純正足回りの経年劣化のリフレッシュという意味でもオススメできる。
また新型車に関してラインナップは増加中だが、何しろTEZZOは開発に時間を掛けるので少しずつである。現在製品化されているのはアルファロメオ・ミト、ジュリエッタ、アバルト500/595/695、フィアット500など
価格表
車高調価格表
2024/06/06
メーカー | 車種 | グレード | 備考 |
アルファロメオ | アルファロメオ 4C | 車高調 | |
アルファロメオ ジュリエッタ | QV | 全長調整式ver.3 | |
スポルティーバ | 全長調整式ver.3 | ||
クラシカ | 全長調整式ver.3 | ||
スプリント | 全長調整式ver.3 | ||
コンペティツォーネ | 全長調整式ver.3 | ||
QV MT | 全長調整式ver.3 ハイパコ+ | ||
QV TCT | 全長調整式ver.3 ハイパコ+ | ||
アルファロメオ 159/Brera/スパイダー | 2.2 | 全長調整式 | |
3.2 | 全長調整式 | ||
アルファロメオ ジュリア Ver.2 | 全長調整式 Ver.2 | ||
アルファロメオ 147 | 2.0L | 全長調整式 | |
GTA | 全長調整式 | ||
アルファロメオ 156 | 2.0L | 全長調整式 | |
2.5L/GTA | 全長調整式 | ||
アルファロメオ GT 2.0 | 2.0L | 全長調整式 | |
3.2L | 全長調整式 | ||
フィアット | フィアット 500 | ツインエア | 全長調整式 |
1.2 | 全長調整式 | ||
1.4 | 全長調整式 | ||
フィアット 500C | ツインエア | 全長調整式 | |
1.2 | 全長調整式 | ||
フィアット 500X | 2WD | 全長調整式 | |
4WD | 全長調整式 | ||
アバルト | アバルト 500/595/695 | 全長調整式 | |
アバルト 500/595/695 | 全長調整式フルキット | ||
アバルト 500C/595C | 全長調整式 | ||
アバルト 500C/595C | 全長調整式フルキット | ||
アバルト 124スパイダー | MT | 全長調整式 | |
MTA | 全長調整式 |
ローダウン&ライズアップサスキット価格表
メーカー | 車種 | グレード | 備考 |
フィアット | フィアット 500(生産終了) | ツインエア | ver.2 |
1.2 | ver.2 | ||
1.4 | ver.2 | ||
フィアット 500C(生産終了) | ツインエア | ver.2 | |
1.2 | ver.2 | ||
フィアット 500X | 1.4 | ||
アバルト | アバルト 500(生産終了) | ver.2 | |
アバルト 595(生産終了) | ver.2 | ||
アバルト 500C(生産終了) | ver.2 | ||
アバルト 595C(生産終了) | ver.2 | ||
フォルクスワーゲン | フォルクスワーゲン ゴルフ7 | GTI |
ユーザーインプレッション
・ロール剛性がかなり上がった。硬さはあるんだけれども、初期の入力でダンパーがしっかり働いていて変な振動がないからとてもしなやかで乗り心地がいいですね。とはいえ、柔らかさはあってもロールやピッチングはちゃんと突っ張って仕事をしてくれている。コーナーの気持ちよさと速度も上がったような気がする。サーキットでも必ずタイムアップできるだろうなという印象があります。(K様/アルファロメオ ジュリエッタ)
・これまでと同じ感覚で運転していてスピードメーターを見てみると、知らず知らず20キロくらい速く出ています!足回りが安定して、乗り心地が格段に良くなりました。スピードの出し過ぎに注意します。(A様/アルファロメオジュリエッタQV-TCT)
Q&A
Q:FIAT500TwinAir用のTEZZO ローダウン&ライズアップ・サスキット Ver.2をラバーを装着せずに取り付けようと思うのですが、ラバー有りと無しでは車高の違いはどれくらいになりますか?
A:こちらの製品はその性質上、使用により車高が落ちてくるためラバライサ使用を推奨しております。ラバライザを装着しなかった場合の車高は測定していないため、正確な値はお答えいたしかねます。ご了承下さい。
Q:取り付けの説明書はついていますか?自分で取り付けることはできますか?
A:説明書は付属していますが、一概に取付可能とは申し上げることは出来ません。弊社ではディーラー様や、ショップ様での取り付けを推奨しております。ご自分での取り付けに関してはDIYサイトをご参照頂けます。
Q:遠方のため、TEZZO BASEに伺えません。通販で買って、TEZZO BASE以外のディーラー等で取り付けは可能でしょうか?
A:可能な店舗様はございます。TEZZO STYLEでは全国に取付店のネットワークがありますので、お問い合わせ頂ければご紹介させていただきますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。