ローダウン&ライズアップ・サスキット Alfa Giulietta 【 開発中止 】

TEZZOが今までローダウンスプリングに取り組んでこなかったのは、

①車高を細かく調整することが難しい。
②TEZZOが求める乗り心地性能の確保が難しい。

という要因があるからでした。

①に関しては、たとえ同じ車種であっても仕様や装備品、それに伴う重量差により、ローダウンスプリングのみで理想値をとるのは不可能です。

②は、ローダウン化によるストロークの減少を補うため、スプリングレートを上げるとダンパーとのバランスが崩れ、“バネ勝ち”状態に陥ること。レートを柔らかいままにしても、今度はストローク不足により線間密着しやすく、またロールが大きいなどデメリットが発生します。柔らかいとスプリング自体の経年劣化も激しくなります。巷にはたったの1、2年で寿命を迎え、車高が落ちてしまっているものが多々あります。

上記のことを完全に克服するのは難しいとしても、少しでも問題を減少させることを念頭に開発が始まったのがローダウン&ライズアップ・サスキットでした。

車両重量が軽く、またダンパーの容量も比較的ゆとりがあったフィアット500には、上記のネガがあまり露呈せず、何度かのテストを経て市販化を実現させました。

続いて欲する声の多かったアルファロメオ・ジュリエッタ用を、とTEZZOは開発を進めてきました。しかし何度かのテストの結果、やはりTEZZOの求める水準にまで到達させることは難しい、という判断を下しました。見た目だけを求めて、安直な製品をリリースするのは簡単です。が、TEZZOのブランドコンセプトである「理想の走り」と「美的バランス」を具現するためにはローダウンスプリングでは役不足でした。

スプリングレートを上げると乗り心地が悪化し、またレートを下げれば今度は高速直進安定性が不足します。またジュリエッタの理想は“わずかな前下がり”状態であるとTEZZOは考えます。しかし、ローダウンスプリングのみではその理想のバランスを保つことは難しく、後席乗車時に後ろ下がりになるなど車高バランスが崩れます。1人または2人乗車が主となるフィアット500とは違い、ジュリエッタは4枚のドアを持つということも影響しています。いかなるシチュエーションでも走りを妥協することはできません。

ジュリエッタにはすでに、別タンク式車高調整式ショックアブソーバー(車高調)を独自に開発しラインナップ(販売中)、さらに、全長式車高長も開発予定。程よいローダウン量と高次元の走りを実現させていく予定です。